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2020.8.27

アマゾン熱帯雨林の不思議

〈論文〉アマゾンの自然と社会
― 生物多様性の保全と持続可能な地域発展のあり方を問う ―より引用。

アマゾン熱帯雨林は世界一の生物多様性を誇り、
極めて豊かな生命力に満ち満ちている。

そんな場所であるから、
当然土壌も著しく栄養に富んだ環境である
と考えるのが普通だ。

しかしながら、
実はアマゾンの土壌の大半は
痩せ衰えているのだという。

その事由の一つは、
長年にわたって スコールなど温かい雨によって
ミネラルなどの栄養分が
洗い流されてしまうことにある。

ではなぜ、あんなにも豊かに繁茂した密林を
耐えず支えることができるのだろうか。

その回答は、
さまざまな生物による
滋養のリサイクルにあるといわれる。

いずれにせよ、
アマゾンの熱帯雨林は
栄養分の源泉である土壌からではなく、
土壌の上で生育している印象さえ与える。

この意味で、
土壌はただ単に樹木を支える
機械的な役割を果たしている
といっても過言ではない。

温帯の森林では、
通常ほぼ全ての栄養分は土壌にある。

ところが反対に、
熱帯雨林では平均して
その栄養分の75%は植物のバイオマスに、
また17%は地表面の腐葉土層に存在する。

結果として、
土壌には 8%を数えるに過ぎない。

このためにアマゾンの熱帯雨林は、
可能な限り枝葉を広げ成長に必要な
リン、マグネシウム、カリウムなどの栄養分を
葉っぱに落ちる雨から摂取する。

それと同時に温帯の森林の3倍の根を
地表に張り巡らせて栄養分を吸収し貯える
という特殊な生態を有している。

  

アマゾンの植物の類稀な薬効、
そしてその多様性は、
土壌の養分に頼ることができない
厳しい環境であるからこそ、
鍛え上げられた結果の
姿なのかもしれません。

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