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2019.12.31

癌の一番の原因

今年最後のテーマは「癌の一番の原因とは?」について。
今回は、2016年に惜しまれつつこの世を去った世界的免疫学の権威である安保徹先生のお言葉を引用させていただきます。
弊社も安保先生と一緒に講演をさせていただいたりと交流もありましたので、他界されたことは大変に残念です。
それでは以下が安保先生の見解です。


さて、皆さんは、癌は遺伝子の失敗とか異常で出来ると思っていらっしゃるでしょう。
ところがそうではないのです。私達は辛い目に会ったり、天敵に会ったり恐怖に会ったりした時はどうなるでしょうか。
野生動物はもし天敵に会ったら強いアドレナリンが出て、副腎皮質ホルモンが出て、この二つの神経とホルモンの作用で何を起こすかと言いますと、所謂恐怖に背ざめる、と言う感情を作るのです。
そうすると、血管を収縮させて、ミトコンドリアの機能を抑えて血流を遮断するのです。すると、低体温、低酸素、アドレナリンの作用で高血糖を生み出し、その状態は降発力には最高なのです。
そうして、天敵を攻撃して生き延びる、或は草食動物だったら逃げて、逃げて、逃げ切る、そういう瞬発力のためだったのです。
人間の場合は、真面目さとか、頑張りとかで過酷な内部環境を続ける訳です。
ですから癌になる人はすごく真面目な人や頑張り屋さんが多いのです。
結局は、辛い過酷な生き方で低体温、低酸素になれば、短いスパンでは瞬発力にプラスになるけれども、長いスパンではミトコンドリアには低体温、低酸素はマイナスに影響します。
そしてそれはタンパク質合成のためのエネルギーにも影響します。
だからやつれて動けないとか、色々な新陳代謝に支障をきたします。
そしてその結果一番負担のかかる処が病気になるのです。
ですから病気を治すには過酷な生き方を止め、悩みや冷えを避け、パソコンの画面を何時間も見て緊張して過ごすことは避けるべきです。
30代、40代でも色々な病気になってしまうのですが、それはパソコンの画面を長く見ている人に多く、パソコンの長時間の使用は緊張を招き危険な事なのです。昔は寒さ、ひもじさ、過酷な肉体労働で病気になり、寿命を諦めたのです。
一番影響を受けるのはミトコンドリアの多い場所ですから脳梗塞とか心筋観塞が起こりやすい訳です。
これらは皆ミトコンドリアの多い場所で、極端な生き方で影響を受けやすいのです。ミトコンドリアの弱点は、あまりにも栄養(糖)が多くなると機能が低下するのです。
例えば、お年寄りに胃ろうを付けて1500カロリーも体に入れると、3日以内に認知症になるのです。胃ろうを付ける前は、自分の名前も配偶者の名前も分かっていたのが、すぐに分からなくなるのです。
要するにミトコンドリアは高カロリーに弱いのです。
私達でもご飯を山盛り食べると 惚けやすくなるのです。
ミトコンドリアはご馳走に弱いのです。
あとは酸素不足に弱いので、お年寄りは血圧の薬を飲んで血圧を下げるとすぐに駄目になります。
5年、10年はフラフラしながら、何とか生きられるのですけれども、15年、20年になると、寝たきりの認知症になってしまうのです。
日本はやたら介護保険が充実していて、皆血圧の薬を飲んでいます。
昔は、血圧は年齢 +90と言って特に働くお年寄りは血圧を高めて液の循環を良くし代謝を維持していたのです。
近頃のお年寄りは皆血圧の薬を飲んでいるのですけれど、この間違いがどうして起きたかと言いますと、実は昭和20年代、30年代の日本人の生活を考えないとたどり着けないのです。
最後に、そもそも人間の体にはミトコンドリアが少なくて分裂している細胞の中から、もっとミトコンドリアを作ると言う適応現象が起きるのです。
それが癌なのです。癌は遺伝子の失敗ではなく、過酷な生き方を続けた人の適応現象なのです。
つまり、ミトコンドリアの入らなかった世界、つまり解糖系生命体に戻れば、低体温、低酸素でやっていける訳ですから。
ですから癌は遺伝子の失敗ではなく、遺伝子の成功に因って出来るものです。
ですから皆さんに癌が出来たら古い先祖が出現したと言う事です。
癌を治すには過酷な生き方を止めて、体を温め深呼吸する事が大事なのです。


まとめ

癌になる過程を短くまとめると。

  • 野生動物は辛い目や恐怖に合うと一時的に血管収縮させ低体温、低酸素状態を作る。
  • 人間は真面目過ぎたり、頑張りすぎると長期的に低体温、低酸素、新陳代謝に支障をきたす。
  • 限度を超えて過酷な生き方を続けると、体はミトコンドリアをより増やそうと反応する。⇒ 癌細胞の増殖

以上が現時点での免疫学的観点から見た癌の最も大きな原因です。
一言にすると「過度な慢性ストレス」ですね。
「納得!」といった感じですが、この状態に加え、食生活の乱れ、睡眠不足、社会毒、環境毒などが追い打ちをかけることで、さらに癌化を加速させているというところではないでしょうか。
安保先生ありがとうございました。

それでは 皆様、くれぐれも頑張りすぎず、遊びを残しながら過ごすよう心がけてください。体を温め深呼吸~~ 。
2019年今年一年お疲れさまでした。
良いお年をお過ごしくださいませ。


<PROFILE>

安保徹 博士 (故人)

1947年 青森県生まれ
1972年 東北大学医学部卒
1980年アメリカ・アラバマ大学留学中、『ヒトNK細胞抗原CD57に関するモノクロー ナル抗体』を作製。
1989年 胸腺外分化T細胞を発見。
1990年 新潟大学医学部教授 1996年 白血球の自律神経支配のメカニズムを解明。2000年 胃潰瘍の原因が胃酸であるとの定説を覆して注目される。
その後もマラリア感 染の防御に関する発見など、国際的に活躍。
2014年 新潟大学退官。
その後も「健康と免疫」「病気と生き方の見直し」等のテーマで、全国各地を講演。
2016年 逝去。


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