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2020.1.19

世界共通の「健康の定義」

「健康な状態」というのは、人によって感じ方や基準が様々だと思います。
少しの疲労感で体調不良を訴える人もいれば、かなり状態が悪くなって初めて気づくなんて人もいますね。肉体だけでなく、精神や社会生活、はたまたアイデンティティもまた、それぞれ整った状態かどうかは大変重要と言えます。「健康」という概念に関しては、WHOが定めた「健康の定義」というものがあり、これが世界的な共通の認識として機能しています。しかしながら、1998年に「健康の定義」が不十分ではないかということが議論になり、そこでなんと「Spiritual」という語句の追加が検討されたことがありました。
スピリチュアル(spiritual)とは、日本語では「霊性」「魂」などと表現されますが、具体的には、人生の意味・希望・安らぎなどを見出す「心の奥」を指す概念といえます。ここでは、尊厳や存在意義、アイデンティティーのようなものが全うできているか言い換えれば、人生の目的や、自分の生きがいを明確に持って生活できている状態という認識で問題ないでしょう。
人種や民族によっては、宗教や霊的な意味も含むと考えられます。
この「spiritual」という言葉。
我々日本人においてはどういった捉え方になるでしょう?

以下は厚生労働省オフィシャルサイトからの抜粋です。

WHO憲章における「健康」の定義の改正案について

1.経緯
従来、WHO(世界保健機関)はその憲章前文のなかで、「健康」を

「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」

“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”

と定義してきた。(昭和26年官報掲載の訳)

平成10年のWHO執行理事会(総会の下部機関)において、WHO憲章全体の見直し作業の中で、「健康」の定義を

「完全な肉体的、精神的、Spiritual及び福祉のDynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」

“Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”

と改めることが議論された。


最終的に投票となり、その結果、賛成22、反対0、棄権8で総会の議題とすることが採択された。
総会では参加国の2/3以上の賛成があれば採択される。
ただし、改正の発効には全加盟国の2/3以上における批准手続きが必要であるが、通常は2/3の批准を得るために数年以上の期間を要している。

本件は平成11年5月17日から5月25日まで、スイス・ジュネーブにおいて開催された第52回WHO総会において再度審議された。総会のB委員会(総務、財政、法的事項を担当)において、数カ国から憲章前文について討議すべきとの意見も出されたが、現行の憲章は適切に機能しており本件のみ早急に審議する必要性が他の案件に比べ低いなどの理由で、健康の定義に係る前文の改正案を含めその他の憲章に係る改正案と共に一括して、審議しないまま事務局長が見直しを続けていくこととされた。


2.今回の提案の背景
提案についてWHO事務局からの見解は得られていない。WHO会議での過去の議論などから、「健康」の確保において生きている意味・生きがいなどの追求が重要との立場から提起されたものと理解される。

平成10年のWHO執行理事会では、
(1)Spiritualityは人間の尊厳の確保やQuality of Life(生活の質)を考えるために必要な、本質的なものであるという意見

(2)健康の定義の変更は基本的な問題であるので、もっと議論が必要ではないかとの意見

の両方が出された。

また、同理事会では「Dynamic」については、「健康と疾病は別個のものではなく連続したものである」という意味づけの発言がなされている。

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